2009年度 第10回チャペルアワー
●にこにこトマト代表 神田 美子先生
●テーマ:「活き活き生きる=生活」
●内容:
「にこにこトマト」は、京大病院小児科に長期入院している子ども達とその家族に、美術、造形、工作や読み聞かせなど、「楽しく豊かな時間」を届けるボランティアグループである。個として活動は14年目になり、メンバーは79名。グループを組み、それぞれの得意とする分野で子ども達と一緒に時間をすごす。子ども達は、メンバーを「にこトマさん」と呼び、活動には自発的に自由に参加する。
本来、子どもにとって生きることは遊ぶことと同義で、それは病気の子どもも同じである。そして、私達大人にとっても、遊びを通して子どもが伸びようとする芽を育てたいと思うのは自然な気持ちである。聖書の「良い贈り物を届ける(ヤコブの手紙1章17節)活動でありたいものである。
今年、病院から出られない子ども達のために、東京からミッキーマウスがやってきた。病気の影響で全く表情のなくなっていたA君は、その翌日笑顔を取り戻した。数日後のクラリネットの演奏会では、演奏者がわざと外した音を聞いて、周りの人が幸せになるような笑顔がA君からあふれたのである。
Bちゃんは痛みを押して活動に参加しており、起きる元気はなく寝転んでいた。しかし足では楽しげにリズムを刻んでいた。辛そうに見えても、きっと心は我っていたのであろう。このBちゃんは「「おひなさまになろう」でおひなさまの衣装をビニールで手作りしたときも、苦しそうにしか見えないのに、痛い身体をねじって、母親が仕上げた着物を着るといってきかず、結局やり遂げた。
私達の活動には、表情の笑顔からだけではなく、心の「活き活き」や「笑顔」を見抜く力が必要で、感性が問われているのかもしれない。
ところで、みなさんご自身は「活き活き」していますか?皆さんと皆さんの関わる方々が、「活き活き」できるように、これから一緒に考えていきましょう。